秋田県大潟村でお米を作られている田中尚貴さんがお店に来てくださいました。
お若い方で、屈託がなくエネルギッシュな方でした!
去年取り扱いを始めて今年も既に入荷しております「あきたこまち」の生産者さんでして
こちらは特別栽培米認証で化学農薬100%減、化学肥料100%減のものです。
父が田んぼをやっている時から農薬はほとんど使わなくて済んだらしく、土壌の質が元来良かったのかもしれません。
とおっしゃってました。
農法は自然栽培に近く肥料は少量の有機肥料(鶏糞ペレット)のみだそうです。
(つい最近秋田県の肥料会社で偽装問題がありましたが、そちらの肥料は使用しておりません。
証明書もいただいておりますので、気になる方はお店まで起こしください)
そして私も既に試食しており去年より食味がいいなと感じてましたが、やはり今年は生育が順調にいき出来がいいみたいです。
というより去年は出穂時の強風によって生育に悪影響があったとのことです。
更に朗報ですが、今年からササニシキの販売をさせていただけるようになりました!
そして何と、無肥料です!
しかもJAS有機認証です。
無肥料のササニシキって実はすごい価値があるんです。
僕もずっと扱いたいなと思ってたお米なんですね。
そもそもササニシキ自体が希少銘柄になってるのと、最近その価値が高まっている無肥料栽培の組み合わせってのは珍しいんですね。
そのため価格もものによっては凄い高かったりするんです。
しかし田中さんのお米はあきたこまち同様リーズナブルです。
玄米1kg640円の予定です。
田中さんに、こんなに安くて大丈夫なんですか?
と質問したところ
???というような顔をされまして
無肥料なんだから本来価格は安くなって当たり前ですよね、と。
結局、自然栽培(無肥料栽培)が高くなる一番の理由はその生産高にあるので、そこに問題がなければ自ずと価格は下がるはずなんですね。
で、実際田中さんの圃場では「あきたこまち」より「無肥料ササニシキ」の方が何故か収量が高いそうで、それも慣行栽培と同じような収量があるそうです。
土壌がとの相性が良いみたいで、これを機に来年からもっと栽培を増やす予定とのことです。
ササニシキは来週あたり入荷予定ですので、もう少しお待ちください。
最後にカッコイイ写真をひとつ。
これは表層剥離という、土中のバクテリアが有機物を分解する時に発生するガスが表層に浮き上がる現象への対策で、ホバークラフトというボートのみたいのに乗っている田中さんの雄姿です。
ムフフ
既に知っておられる方もいるかと思いますが、今年はお米の相場が少し上がっております。
当店の玄米1kgの価格で10円~20円ほどです。
たまに驚かれる方もいらっしゃいますが、お米は毎年秋新米に切り替わるたびに相場が変わります。
他の食品ではあまりないですもんね。
他の食品で価格が上がると言ったら、石油燃料価格の上昇、飼料価格の上昇などの経済的理由が伴い毎年定期的に変わる事はないですからね。
また流通のどの部分で変わっているのかですが、初めの段階、つまり農家から地元JAなどへ販売する段階です。それがそのまま問屋さん、米屋さんに反映されていきます。
さてこれも良く聞かれるのですが、価格が上がると「今年は不作だったんですか?」
です。
現在よっぽどの事が無い限りお米が不作で足りなくなることなどありません。
常に生産過剰状態です。
ただ出来、品質の良し悪しで相場が変わることはあります。
顕著な例は2010年度産米です。
この年は猛暑でお米の品質が軒並み悪く価格を引き下げざるを得ませんでした。
しかし品質だけで変わるものではありません、と言うよりその理由は順位的に下の方かもしれません。
一番の理由はおそらくですが、前年どれだけ売れたか、どれだけ余ってしまったか、でしょう。
販売する側は売れるなら出来るだけ高く売りたいものです。
だから前年完売した銘柄の生産者さんは強気に出てきますし、売れなかった銘柄は価格を下げてでも売り切ろうとします。
この市場バランスで相場は決まっていきます。
また新潟コシヒカリがどれくらいの価格で取引されるかも大きなポイントだと聞いた事があります。「新潟コシヒカリがこれくらいならこの銘柄はこんなもんかな?」みたいな。
こうして結局全体的には概ね同じ幅の増減で落ち着くものです。
ちなみに、当店が今のような玄米仕入、量り売り店頭精米で始めてからの相場は以下のような感じでした。
2010年度産→猛暑で品質低下、価格暴落(過去最低とも)
2011年3月、東日本大震災でお米の流通がメチャメチャになる。
買いだめなどにより米不足が起きる。
2011年度産→震災の影響で需要が増えたと錯覚し、供給も増え価格も強気になり上昇。
2012年度産→そんなに需要は増えてはないがなんとなく価格上昇気配は続く。
原発事故の影響もあり北海道米、九州米などの価格は更に上昇。
2013年度産→前年とほぼ変わらず。
2014年度産→ここ数年の連続値上げで数年連続してお米が大量に余る。
結果大幅値下げ。(過去最低の取引価格となる、ドラッグストアなどで今まで
では有りえないような低価格米が出る)
2015年度産→前年の大幅値下げの揺り戻しで少し上昇。
ここ数年こういった感じでしたが、とにかく米の流通に大きな影響、混乱を与えたのが東日本
大震災と原発事故でした。
当然当店も混乱しました。
始めたばかりでお米の仕入も少なく在庫がない状態でお客さんが殺到して、思い切って通常ではありえない量のお米を仕入れましたが全部売れました。
そしてその後問屋さんにも在庫がなくなり仕入れるお米が限られる状態に・・・・・
そして何と言っても混乱時ウチに来てくれたお客さん、どれくらいだろうか、30人?50人?
かなりのお客さんが来てくれたのですが、その後購入し続けてくれている方は一人だけですね!
はははははははははははっ!
話戻して、今年の出来についてですが、まだ試食があまり出来ていない段階ですが
見た目の品質は正直去年より少し落ちる感じです。
夏後半の天候不良が原因なのでしょうか、シラタ米(生育不良によってなる白いお米)が少し入っているお米が増えています。
食味は全部食べた段階でまた報告しようかと思ってます。
去年は軒並み高品質で良食味、なのに上で上げた理由により価格は下がるというお買い得状態だったんですね。
去年美味しくて当のお米を購入し続けてくれたお客さんには、去年より少し落ちるなぁ、って感じなのに価格が少し上がってるって納得いかないなぁ。
と感じてしまうかもしれませんが、スミマセン、お米の相場はこんな感じで毎年変わってしまうのです・・・・・
毎年毎年お米の品質は変わるのでその年その年でお口に合った銘柄を見つけて頂ければ幸いですし、その為に毎年沢山の銘柄を用意しておりますので、是非色々お試し頂けたらと思っております。
先週の水曜日に長野県東御市にある信州ファーム荻原さんの田んぼに見学に行ってきました
7月30日、こちらでは稲穂が出始める頃のようです。
よーく探すといました。
信州ファームさんのお米は、当店では「りんご米コシヒカリ」、「カブトエビの住む田圃のコシヒカリ」と2種類扱わせていただいております。
化学農薬、化学肥料共に100%減の特別栽培米です。
信州ファームさんは従業員を数名雇っていて、お米をメインに大規模に農産物を生産しています。
田んぼも色々な場所に点在していて車で数十分移動しての見学でした。
東御市は長野県の東側、軽井沢や佐久市などが近場です。
そして荻原さんの住む八重原地区というのが面白い場所でして、標高700m~900mの場所なんですけど、山の中腹ではなく山のテッペンなんです。
山の上が平になっているいわゆる台地なんですけど、かなり広い!
車でグイグイ登って行きます。
台地の上のとある場所からの景色。
頂上と言っても広ーい台地です。台地の上は田んぼが沢山あり大きな一つの集落になっています。
その台地の上で生産されているのが、りんごをたい肥として土作りに使っている「りんご米コシヒカリ」です。
お米はある程度標高が高く昼夜の寒暖差が大きいところで甘みが増し美味しくなると言われています。こちらも夏でも夜は布団がないと寝れないそうです。(冬はマイナス15度くらいになるそうです)
正に美味しいお米の生産地にぴったりの場所なんですね。
だから旨い!んです!
こちらはりんご米のたんぼ。
さてこの八重原台地、標高900mの場所でそこがてっぺん。
なので沢山の水を川から引いてくることが出来ません。
たんぼに必要な水はどこから引いてくるのかというと、近くにある蓼科山の中腹から引いているそうです。
この集落に住んでいたむかーしの人が頑張って水路引っ張ってきたそうです。
八重原集落は、隣の佐久市の人からも「こんなところに集落があるんだぁ?」と言われたこともあるような場所で、自分も行ってみてなんとも不思議な場所だなと感じていたのですが、そのような歴史を聞くと尚更興味深い場所なだと感じます。
と、長くなったのでこの辺で。
つづきはまた
お店と関係ない話ですが興味深く番組だったので。
「病の起源」の再放送が始まってて、昨日は「うつ病」の特集だった。最初の方は見てないのですが(魚の実験の辺りからみました)、とても興味深い内容だったのでおさらいです。
農耕が始まり文明が起きたことにより富が生まれ必然的に格差が生まれる。
富の獲得のため競争が起こる、その時脳内ではストレスホルモンが活性化され扁桃体の活動レベルが高まる。
扁桃体の酷使によってうつ病が発生するメカニズムが見てとれるようになり、扁桃体を酷使しない生き方がうつ病を抑えるために必要だと提言される。
今も狩猟採集で生活している人達いる、彼らの扁桃体レベルを測ると先進国の人とは格段の差がある。知っている人は知っていると思うけど狩猟採集民は富を独占することはない、獲物は必ず公平に分配される。
面白い実験データが提示される。(被験者は現代人)
お金の配分を3つに分けて提示し、それぞれで扁桃体の活動レベルを測定する。
①自分により多く分配される、②公平に分配される、③相手により多く分配される
②の時ほとんど扁桃体は活動しない、しかし①は高く、③は更に高い。
①と③の提示があるととても高いストレスがかかる。
富を独占しても富を獲得出来なくてもいずれにしても扁桃体に負荷がかかる。
狩猟採集民にストレスはない、彼らへのインタビューでそれが理解される。
常に皆が公平であり一体である事を意識している、富の独占も否もない。
今更狩猟採集生活に戻るのは難しい、しかし「ストレスフリーな生き方とは分け与える事なのだ」、とも言える今回の番組内容から、今の経済社会でもそれを実践しながら生きることは可能だろうとも思いました。
競争社会を危惧する風潮は社会に常にあるのだけど、「競争社会にNO!」「新自由主義経済NO!」など声高に叫んでもいまひとつ耳に響かないような気もします。
しかしこのように脳科学的だったり、人類の歴史的に説明されると説得力がまします。
脂肪酸組成と生理作用から油と健康についての考察があります。
詳しくは以下のHPと以下の書籍にありますが、ざっとポイントをお話してみようかと思います。
金城学院大学オープンリサーチセンターのHPから I章 最新の脂質栄養を理解するための基礎
を参照。
「油の正しい選び方・摂り方」
まず「油の正しい選び方・摂り方」の前書にこうあります。
{約半世紀の間、動物性脂肪とコレステロールを悪玉とし高リノール酸食用油を善玉とする油脂栄養学が中心でしたが・・~・・癌や心臓病・脳血管症・アレルギー・炎症系の病気・うつ病・に至るまでリノール酸(ω6系)の摂り過ぎこそが大きな危険因子となっていたのです。}
このように著者、他一定数の研究者により、リノール酸の摂り過ぎ⇒×、代わりにαリノレン酸を摂るべき。
という結論になる油脂栄養学があります。
要点を順にあげてみましょう。
① 食用油はその組成から4種類に分けられる
飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)・多価飽和脂肪酸(リノール酸・αリノレン酸)
② 飽和脂肪酸・オレイン酸は動物体内で生産出来るが、リノール酸・αリノレン酸は生産出来ないので人体に必須の脂肪酸となる。
③ 近年の食用油摂取の傾向はリノール酸過多にあり、リノール酸を摂りすぎる事によって様々な弊害を引き起こす事が分かってきた。
④ リノール酸とαリノレン酸は競合的であるため、リノール酸の害を減らすためにリノール酸を減らしαリノレン酸を摂取する事が有効であることが分かってきた。
⑤ リノール酸が豊富な油はエゴマ油・アマニ油である。
さて、リノール酸とかα(アルファ)リノレン酸とは何なのでしょうか?
ほとんどの食用油の成分はその組成により何種類かに分けられます。
飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)・多価飽和脂肪酸(リノール酸・αリノレン酸)です。
このうち飽和脂肪酸と一価飽和脂肪酸(オレイン酸)は動物体内でもタンパク質や糖質から作られますが、リノール酸とαリノレン酸は植物の体内では作られますが哺乳動物の体内では生産できません。
よってこれらは必須脂肪酸となります。
飽和とか不飽和とかの分類はその化学構造からの名称で、飽和脂肪酸の場合炭素の4本の手のうち2本が水素で結ばれている(飽和している)のに対して、不飽和脂肪酸の場合水素が一つしか手を結んでなく、代わりに炭素同志が2本の手で結ばれている事が所以です。
化学式の構造に特徴があるという事で分けられているということです。
(金城学院大学オープンリサーチセンターのHP I章 最新の脂質栄養を理解するための基礎ページ2に化学式の図があります。)
そしてその種類によって人間の体内で起こる生理作用が違い、その事が昨今の様々な健康問題に影響を与えているということです。
結論的には上述の通り、リノール酸を減らしαリノレン酸を増やすべきとなります。
さて、「油の正しい選び方・摂り方」を読むとαリノレン酸は神様のような存在に見えてくるほど絶賛しているように感じます。
リノール酸を減らしαリノレン酸を増やすことで、どんな疾患に良い影響を与えるのか列挙してみましょう。
アレルギーと炎症性疾患
脳機能低下やうつ病
網膜の働きの向上
発がん・転移を抑える
脳卒中
老化抑制
etc
特にアレルギーなどの炎症性疾患に効果がある仕組みなどについては詳しく書いてありとてもためになります。
ひとつこの書に書いてある事で強く関心をもったことをあげてみます。
炎症が起こる仕組みは後述しますが、その炎症を抑えるために開発された薬、これは多くはリノール酸の摂取が体内で色々な物質に変化して人体に影響を与えていくのですが、そのリノール酸摂取のために発生したルートを遮断するための薬だという事です。
要するに現代人はせっせと炎症を誘発する種類の油を摂取してそれによって引き起こされる炎症を薬によって抑えている。
というバカげたことをしているという事です。
それではリノール酸摂取が炎症を起こす仕組みについて説明してみます。
リノール酸を摂取すると体内の代謝酵素によって他の脂肪酸に変化していきます。
リノール酸→γリノレン酸→アラキドン酸→ホルモン様物質(エイコサノイド)。
この流れをアラキドン酸カスケードと呼びます。(カスケードとは階段状に連続する滝、作用が増えていく事が由来)
リノール酸は必須なのですが、多量に摂ると細胞がアラキドン酸で満たされ、これ由来
のエイコサノイドが過剰に作られます。このことが、多種の癌、動脈硬化性の病気(心臓・
脳血管疾患)、アレルギー症や切れやすい行動などの原因となっています。
そしてこのアラキドン酸カスケードを阻害するための薬として多くが利用されているという事です。
これはアレルギー性の炎症に限らす頭痛、生理痛などの炎症もそうです。
ステロイド系抗炎症薬、非ステロイド系抗炎症薬、抗アレルギー薬のほとんど(抗ヒスタミン薬は除く)などがそうです。
名前が知られているところだと、アスピリン、バファリン、ボルタレン、インドメタシン、イブプロフェン、ロキソニン、アレジオン、バイナス・・・
ということでこれらの炎症を薬で抑える前に、そもそもアラキドン酸カスケード自体を食によって作らない事が先決、また食によって防ぐことが出来るということです。
ちなみに半信半疑で数か月前から自分は試しています。
エゴマ油やエゴマ粒を常食しています。
そして25年来の花粉症持ちでしたが、今年25年振りに気にならないところまでになっています。
今のところ風の強い日に外で顔面をさらけ出しても何の問題もありません。
いや、25年ぶりだ、春風が億劫でないのは!
基本的に健康についてこういうミクロな体内の生理作用についてはあまり重きを置いていないのですが、これは効果があるのかな、と思っています。
とどのつまり現代人は植物性油脂をとり過ぎているということなのですね。
しかしこうなるとαリノレン酸だってとり過ぎたら悪影響は出るんじゃないの?
という疑問は生まれるでしょう。
油だけ抽出したものなんてそもそも取らない方がいいだろうという結論になりそうですが、著者は今更油脂を減らすのは現実的ではないので摂るならリノール酸ではなくαリノレン酸にした方がいいと結論しています。
しかし一度花粉症からほぼ回復してしまうと、何かもうαリノレン酸取らなくてもいいんじゃないかと感じてしまう。
要はアラキドン酸カスケードが作られ易い体質になっていた体から一回回復すればある程度大丈夫なんじゃねぇ?などと。
さて、どうなんでしょう?
では最後に気になる各食用油の脂肪酸組成ですが、金城学院大学オープンリサーチセンターのHPから I章 最新の脂質栄養を理解するための基礎のページ3図3に分かり易い表がありますのでそちらを参考にしてください。
ちなみにその他の食生活は過去最高に乱れております・・・
あわわわわわ(*_*;